|
| 2001年9月11日、同時多発テロの映像が突然テレビから流れました。この作品は、とても現実に起きたとは思えないこの事 |
| 件がモチーフです。当時、私はギャラリー手での初個展を目前に控え、新作をどうしようかと考えていました。そんな矢先、 |
| 飛行機が、武器となり建物を破壊する瞬間を見て、個展のことで頭が一杯になっていた私は、急に気持ちが冷めて、それ |
| まで作ってきたものが、一瞬、色あせ、個展で頭が一杯になっていた自分が、なんだかとても小さく感じたのでした。 |
| この感覚を描いたのが、この作品「最初の家族」です。いつもは、私の内面から発生するものを表現していましたが、この |
| 時は、自分の外部で起きた、あまりの衝撃的な事件に、どう自分の中で、立ち向かい表現したらよいかを考えました。この |
| 作品には、キミドリ色もピンク色もありません。モノクロームの世界。最初に、地球上に、家族が出来た時のことを想像して |
| 描きました。まだ何もない地平に、家が一軒建ち、そこに飛行機が向かってきています。希望と絶望に満ちた未来社会を |
| 暗示するものとして飛行機を描きました。最初の家族、そこから、また新しい家族が生まれ、今のような世界になったのだ |
| としたら、はじめは、皆、同じ家から出てきたということです。たくさんの人々が生活していく中で、自分と他人や、自国と他 |
| 国など分けて考えることが多いですが、「お互いの違いを穏やかに認め合う方法を見つけたい」、そんな気持からこの作品 |
| が生まれました。 |