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| 「眼のある風景」は、靉光の代表作と同タイトルです。靉光は、私が芸術家を志すきっかけのひとつを与えてくれた人です。 |
| この絵は、画面全体を黄緑に塗った上に、油性マジックで、ドローイングをたくさん描いてあります。そのほとんど自分でも |
| 解明できない小さなイメージの上に、対峙色の赤が塗り重ねてあります。私が小さな頃に持った無意識的に創造を楽しむ |
| 感覚が黄緑色(カドミウムグリーンライト)、その感覚に立ち現れる現在の意識の壁が赤色(カドミウムレッドライト)です。 |
| 黄緑色は子供部屋のじゅうたんの色で、そこで小さい時、たくさんのものをつくりました。そして、この色は、立体的な表現 |
| から、絵画を描きだすきっかけを与えてくれた色でもあります。油性マジックは上から油絵具を塗っても、乾くとぼんやりと |
| 浮き上がってきますが、何度も無意識を確認するかのごとく、上から赤を塗り重ねた結果、ほとんどドローイングは見えなく |
| なっています。無意識として意識に浸食されていないぽっかりと空いた新たな可能性を秘めたところが黄緑色の部分です。 |
| 自分でも意識できない部分とできる部分が共存し、常に動いている感覚。この作品は、私の脳の中身を描いたようなもので |
| す。また、靉光の絵の画面中央にある不気味な緑色の瞳が見透かしている私自身の姿が、ここにあるのかもしれません。 |
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| * 2001年 「第6回 昭和シェル石油現代美術賞」 本江邦夫審査員賞 受賞作品 |